私たちの爪の美容と健康を保ち、デザインや装飾を施す人気の職業のひとつでもある、ネイリストのお仕事。今回は、その仕事内容やネイリストになるために必要な資格や技能検定の概要、気になるお給料や将来性について、最新事情を前編と後編に分けてご紹介していきます!
今さら聞けない!ネイリストとは??
ネイリストは、ネイルケアやネイルアート、つけ爪の施術をおこなう専門家で、ネイリスト(Nailist) という名称は和製英語となり、海外ではマニキュアリスト(Manicurist)と呼ばれています。マニキュアリストという名称は、ラテン語で「手」を意味する「マヌス(Manus)」と「手入れ」を意味する「キュア(Cure)」が組み合わさり「爪の手入れ」を意味する「マニキュア(manicure)」という言葉が起源だと言われています。
日本では、1985年に日本ネイリスト協会(JNA:Japan Nailist Association)が設立され、ネイリストの民間資格が取得できるようになりました。海外文化の影響などを受け、働く女性を中心に、ネイルが普及するようになりました。
日本では、1985年に日本ネイリスト協会(JNA:Japan Nailist Association)が設立され、ネイリストの民間資格が取得できるようになりました。海外文化の影響などを受け、働く女性を中心に、ネイルが普及するようになりました。
ネイリストになるには?
・資格は「必須」ではない
ネイリストは、美容師や理容師のような国家資格ではなく「この資格がなければ、ネイリストになれない」というものがないため、美容系の中でも比較的目指しやすい職種だといえます。しかしながら、ネイルサロンに就職してお客さんから指名をもらえたり、独立開業できたりする「プロのネイリスト」になるには、豊富な経験と知識と技術の証明が必要不可欠です。
では、そのためにはどのような方法があるのでしょうか?プロのネイリストを目指す、一般的なルートをご紹介いたします。
プロのネイリストを目指す一般的なルート
・美容専門学校で学ぶ
美容専門学校の教育課程は、一般的に昼間課程(2年以上)と夜間課程(2年以上)、通信課程(3年以上)に分かれます。このうち通信課程(3年以上)は、美容師や理容師を目指す人向けのカリキュラムが組まれているため、ネイリストを目指す人は、昼間課程か夜間課程の「総合美容科(トータルビューティー科)」「ネイリストコース」などで学びます。
美容専門学校の特長は、必修科目として「総合美容の知識と技術」、選択科目として「ネイルの知識と技術」があるため、文字どおり「美容の総合力」が身につく点です。学費は2年間で200万円前後かかります。
<美容専門学校のメリット>
・美容について、幅広く学ぶことができる
・他の美容系資格取得も目指すことが可能
・検定試験対策や就職サポートが整っている
<美容専門学校のデメリット>
・費用(年間100万円前後)が高め
・時間(2年間)がかかる
・授業や試験、課題があり忙しい
・ネイルスクールで学ぶ
ネイルスクールと聞くと「美容専門学校とどう違うの?」と思うかもしれませんが「美容を幅広く学ぶのが美容専門学校」だとすると「ネイルに特化して学ぶのがネイルスクール」となります。法的には、学校法人である美容専門学校は、学校教育法に則ったカリキュラムを組む必要がありますが、国の認可が不要のネイルスクールは、自由にカリキュラムを組むことができるという違いがあります。ネイルスクールでは、ネイリストに必要なさまざまな分野について学ぶことができ、受講スタイルも「通学」と「通信」から選ぶことができます。費用の相場は20万円〜100万円程度です。資料請求やホームページの確認、実際に見学をするなど、自分に合ったスクールやカリキュラムで学びましょう。
・独学で学ぶ
独学の場合は、DVDやテキスト教材などで、ネイルの基礎知識を学び、技能検定試験の合格を目指す、といった方法もあります。教材に関しては、代表的な技能検定試験を主催している、日本ネイリスト協会(JNA)や日本ネイリスト技能検定試験センター(JNEC:Japan Nailist Examination Center)のものを使用すると良いでしょう。しかしながら、いずれの検定試験も「筆記試験」に加え「実技試験」が課せられているため、ネイル技術を完全に独学で学ぶのは、非常にハードルが高いのが現実です。そのため、可能な範囲でネイルスクールの短期集中講座や、検定対策セミナーを受講するようにしましょう。
・ネイルサロンで働きながら学ぶ
ネイルサロンで、アルバイトやパートとして働きながら学ぶという方法もあります。給料をもらいながら、現場経験を積めるというメリットがありますが「未経験・無資格可」の求人の仕事内容は、受付や掃除、施術準備などがメインとなるため、営業時間外にコツコツと練習や勉強を続ける努力が必要です。
代表的な技能検定試験
プロのネイリストになるための、一般的なルートをご紹介しましたが、いずれのルートにおいても「技能検定試験」の合格が、ひとつの目標となります。次に代表的な技能検定試験について紹介します。
・ネイリスト技能検定試験(1級・2級・3級)
1997年から始まったネイル産業において、最も歴史の長い検定試験です。日本ネイリスト協会(JNA)が創始し、2008年からは公益財団法人日本ネイリスト検定試験センター(JNEC)が検定試験事業をおこなっています。
ベーシックからトップレベルまで1〜3級に分かれており、2級以上を採用条件に掲げるネイルサロンもあり、累計有資格者は2021年10月現在、約59万人に達しています。
・その他の技能検定試験
施術スキルを証明する資格のほかには、衛生管理や指導スキルの証明になる認定資格もあります。JNA(日本ネイリスト協会)の認定資格には、次のようなものもあります。
■JNA認定ネイルサロン衛生管理士
JNA制定の「ネイルサロンにおける衛生管理基準」を正しく理解し、活用できることを証明します。ネイルサロンの衛生面における管理と統括ができるようになります。JNA認定校で実施される講習会を受講し、筆記試験に合格することにより資格が得られます。2022年9月末時点の資格取得者数は、86,548人です。
この資格の有効期限は、取得年を含む3年目の12月末日までとされており、一度資格継続手続きを完了すると「永続認定」(無期限に保証される資格)となります。
■JNA認定ネイルサロン技術管理者
ネイルサロンの技術水準の維持と向上を図るための資格制度で、店舗運営や人材育成における知識とスキルを証明します。JNAが実施する講習会を受講し、修了することにより資格が得られます。
みんなの憧れ、華やかなネイリストのお仕事。
今回は、仕事内容やネイリストになるために必要な資格、技能検定の概要を解説しました!後編では気になるお給料や将来性について解説しますので、お楽しみに!
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