転職や就職の際に、履歴書不要の求人を目にすることがあります。最近では、求職者の応募のしやすさを重視して、履歴書による書類選考を省いている企業もあります。履歴書不要であると求職者側も応募しやすいと感じることもできますが、反対に履歴書がいらない求人に対して、不信感を抱くこともあると思います。特に建築業界では履歴書不要の求人が多く、それはなぜなのか疑問に思われた方もいらっしゃるのではないでしょうか?そこで今回は、なぜ建築業界において履歴書不要の求人が多いのかを探るべく、履歴書が不要の応募について、その理由や注意点を詳しく解説していきたいと思います。
応募先が履歴書を不要とする理由
企業にとって、履歴書が必要な書類であることは間違いないのですが、ではなぜ企業側が履歴書を不要とするのでしょうか?履歴書は、応募者の情報をまとめた資料であり、採用後はこれを元にして名簿作成を行うため、応募者を受け入れる側としては、履歴書があった方が都合が良いはずですが、履歴書の作成は応募者にとって負担となります。履歴書の記入には、思った以上に時間がかかり、ただ記入するだけでなく、身だしなみを整えた上で証明写真を撮ったり、志望動機を考えたりと、意外と労力のかかる作業になります。そのため、履歴書をなくして、応募までのハードルを下げ、応募してくる人数を増やしたいという狙いから、履歴書を不要としている求人があるのです。
結果的には履歴書を出すことも
採用を行う上で、履歴書を集めることは法律で決められてはいませんが「労働者名簿」を作成することは、事業者の義務とされています。労働者名簿とは、賃金が支払われている労働者リストのことで、簡単な個人情報が記載されます。そのため、履歴書が不要とされる求人であったとしても、採用後のどこかのタイミングで、氏名や生年月日、住所などの簡単な情報を提出することが求められる可能性が高いといえます。
履歴書不要の利点
履歴書が不要であることの利点について解説していきます。履歴書が不要だった場合の応募者のメリットとしては、働き始めるまでの時間を短縮できる、受からないバイトに割く時間を短縮できる、履歴書の購入費を削減できるといったことが挙げられます。まずは、働き始めるまでの時間を短縮できるということですが、これは応募者だけでなく、企業側のメリットにもなります。すぐにスタッフの増員をしたい場合でも、履歴書の記載があると数日が過ぎてしまいます。次に、受からないバイトに割く時間を短縮できるというメリットで、アルバイトは気軽に働きはじめることができますが、やはり応募してから採用されるまでは、労力と時間がかかります。特に履歴書は手書きで作成するので、労力と時間がかかる作業になります。最後は、履歴書の購入費を削減できるというメリットです。履歴書は文具店やコンビニなどで安価で購入することができますが、それでもお金はかかるものです。特に複数の応募先を受けている方は、セット売りにされていても、いくつか買い揃えなければなりません。
履歴書不要な理由は他にもある
履歴書が不要とされる主な理由は上記のものですが、他にもいくつか理由があります。
・たくさんの人に応募をしてもらいたいから
これが最も多い理由なのではないでしょうか?履歴書を書く際には、机をきれいに片付けて、気持ちを落ち着けて、そして書き損じの起きないように集中して…という具合に、それなりの気構えを持ってからでなければなかなか書けないものですよね。そこを理解している企業担当からの、書類提出の手間を省くので、気軽に応募してもらいたいという気持ちから、履歴書不要とされている場合も少なくありません。
・「書類選考がない」という意味でない場合も
企業にもよりますが、求人サイトから応募した後に「サイトから応募」→「企業から連絡が来て、必要書類を事前に郵送」という流れを取る企業も最近は多くあります。そのため「このように、郵送をしてもらう必要はありません」という意味で、不要という表現を取っている場合もあるようです。
・日雇いの仕事で必要がない場合もある
労働基準法第107条には、以下のように記載されています。「使用者は、各事業場ごとに労働者名簿を、各労働者(日雇い入れられる者を除く。)について調製し、労働者の氏名、生年月日、履歴その他厚生労働省令で定める事項を記入しなければならない。」
そのため日雇いの仕事においては、使用者に労働者名簿を作成する義務はないため、1日だけの単発の仕事の場合には履歴書の提出を求められなくても、不安に感じる必要はありません。
履歴書を書くには、意外と多方面からの準備が大変なものですが、これが無くなるというだけで応募するハードルが少し下がるような気がします。
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