鉄骨工事とは

建設業の業務内容の中に、鉄骨工事の仕事に関わることも多くあります。そこで今回は、鉄骨工事の種類や施工の種類・手順、また必要な資格などについて詳しく解説していきます。鉄骨工事に関するお仕事に就きたいとお考えの方はもちろん、鉄骨工事への理解や知識を深めたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

鉄骨工事とは?

鉄骨工事とは、文字通り鉄骨を使用し、建物の骨組みを組み立てていく工事のことをいいます。
鋼鉄製などの部材を使って、柱や梁などの骨組みを造っていきます。現場で用いる部材は、鉄骨製作業者が製作したもので、あらかじめ他の場所で生産された部材を、トラックで工事現場へ搬入しておきます。

鉄骨工事で用いる部材は、重量があるので人の手だけで持ち上げることは、基本的に不可能です。
ほとんどの現場で、クレーン車などの重機を使用し、部材を吊り上げ組み立て作業を行います。
その際に、部材のボルトを締めたり溶接を施すなどして、動かないように固定させておきます。

鉄骨工事の種類

鉄骨工事には、建て逃げ方式や水平積み上げ方式といった種類があります。それぞれの施工方式の特徴を、項目ごとに見ていきましょう。

①建て逃げ方式

建て逃げ方式は、移動式のクレーンを使って鉄骨工事を行います。最初は敷地の奥側から部材を組み立て、少しずつ敷地の手前側へと移動していくのが特徴です。
建物を組み立てながら、後ろに逃げていく方法を用いることから『建て逃げ方式』と呼ばれるようになりました。この方式では、トラック式や油圧伸縮方式のほか、クローラークレーンやタワー式クローラーなどの重機を使用します。

②水平積み上げ方式

水平積み上げ方式は、下の階から上の階へ、鉄骨の節ごとに部材を積み立てていきます。建て逃げ方式のように、少しずつ後方へ移動することなく組み立てられるのがメリットです。また、工事完了まで同じクレーンを使い、作業できるというメリットもあります。
積み立ての際に、作業する場所に合わせて高さ調整が可能なタワークレーンを使用します。
高層ビルやマンションのような、高さのある建物を造る際に用いられることが多い方式です。

この水平積み上げ方式には、さらにマストクライミング方式や、フロアクライミング方式などの種類があります。

⚫︎マストクライミング方式とは
マストクライミング方式は、作業場所の高さに合わせ、タワークレーンの支柱であるマストを継ぎ足しながら、タワークレーンの高さを上げていく方式で、工事が完了したら、マストを切り離し解体工事を行います。

⚫︎フロアクライミング方式
フロアクライミング方式は、支柱が短いクレーンを使って部材を組み立てていく方式です。
建物の内部に、ベース架台やマストを設置しておき、そのフロアでの作業完了後、ベース架台を上げ、本体も引き上げます。この作業を何度も繰り返すことにより、建物を造っていきます。

このフロアクライミング方式は、フロアの部材の組み込みが終われば、すぐに内装工事に取り掛かれるというのが利点です。また、建築物内部でのクレーン操作が可能であったり、小回りが利きやすいため、作業効率があがるといったメリットもあります。

 

鉄骨工事に求められる資格

最後に、鉄骨工事に従事される方に求められる資格をご紹介します。
これから鉄骨工事の仕事に携わりたいとお考えの方、あるいはキャリアアップを目指したい方など、資格取得を目指してみてはいかがでしょうか?

・建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者

建築物等の鉄骨の組立て等作業主任者は、従業員や環境の安全面などの監督・指導にあたる責任者として活躍できる資格です。建築物の鉄骨の組立てなどに関する知識や、関係法令などの講習を受けることで取得できます。

・ガス溶接技能者

ガス溶接技能者は、ガスバーナーを使った溶接作業を行うために必要となる国家資格です。
合計2日間のガス溶接技能講習を修了することにより、資格が取得できます。受講資格は満18歳以上です。
さらに実務経験を積むことで、ガス溶接作業主任者免許の受験資格も得られます。

・アーク溶接作業者

アーク溶接作業者は、溶接棒と被溶接物の間に高温の火花を発生させ、その熱で溶接を行うための国家資格です。学科と実技の講習を受けることにより取得できます。

・フォークリフト免許

フォークリフト免許は、1トン未満と1トン以上の2種類がありますが、どちらの免許も、受験資格は満18歳以上です。1トン未満は、学科や実技など特別教育を修了する必要があります。修了試験はありませんので、比較的簡単に取得できます。1トン以上は、特別教育を修了した後、修了試験を受けなくてはなりません。
修了試験では、学科試験と実技試験が出題され、両方の試験に合格することにより、フォークリフト免許が取得できます。

・玉掛け技能

玉掛けは、クレーン車への荷掛や荷外しの作業を行うことです。玉掛け技能講習を修了することにより、最大吊り上げ荷重1トン以上の取り扱いが可能な資格が取得できます。

ここまで、鉄骨工事の概要や種類などをお伝えしてきました。鉄骨工事の現場で働きたい方は、今回取り上げた玉掛け技能やガス溶接技能者、アーク溶接作業者などの資格取得を目指してみてはいかがでしょうか?
資格を取得しておけば、年収アップやキャリアアップにもつながりやすくなります。鉄骨工事に関するお仕事に就きたいとお考えの方はぜひ参考にしてみて下さい。

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