設備工事とは?目的や種類などを解説!


今回は、設備工事に関わる具体的な種類の特徴などを解説します!
ひとくちに「工事」といえど、建設業は実に29業種にも細分化されており、さまざまな工程を行うには、それぞれ国土交通省の認可が必要となります。そのなかで「設備工事」は、電気やガス、上下水道や空調など、建物内のインフラ整備を行う工事のことを指します。具体的な種類の特徴などを解説していきます。

設備工事とは?

設備工事は、人間の生活水準を高める役割を担っています。外壁や内装の工事が終わったとしても、そのままで生活することは困難です。蛇口をひねれば水が出てきたり、スイッチを押せば照明がついたり、常に一定の温度に保たれたエアコンのある環境があったり等、こうした「当たり前のようにできること」は、すべて設備工事がなされた上で成り立っています。また「一度、設備工事を行ったらそれで終わり」というわけではなく、さまざまな設備は経年により、劣化することが避けられません。問題なく使用していたはずなのに、いきなり故障してしまった、ということも考えられます。このようなトラブルを防止するため、既にある設備に対し、点検やメンテナンスをする「設備保全」も、非常に重要な業務のうちのひとつです。

設備工事のおもな種類

設備工事とは、具体的にどのような種類があるのでしょうか?種類ごとに見ていきます。

・電気設備工事

電気設備工事は、電力会社から送られてきた電気を引き込み、安定的な供給が行えるよう設備を導入するという工事です。使用量メーターや分電盤、各部屋へのコンセントの配置、また電力供給の申請を行い、安全に通電できるように整えます。これらの工程では「電気工事士」という国家資格を保有している人しか、工事を行うことができません。

・照明設備、コンセント配置

建物の電灯や照明、コンセントの設置を行う工事です。近年では白熱灯などの古い電球を、すべてLED電球に丸ごと交換する工事も盛んに行われています。

・受変電設備工事

電力会社から送られてくる電気は、非常に高圧のため、家庭用もしくは業務用に、差し障りのない程度に変圧する必要があります。家庭用と業務用で必要となる電圧は異なるため、それぞれの用途に合った変圧器の配置が必要となります。

・オール電化

オール電化とは、電熱式床暖房や電気給湯器、IHヒーターなどを利用し、電気以外のエネルギーを使用している部分を、すべて電気の力でまかなえるようなシステムを備えた建物のことを指します。一般的な住宅や施設よりも、より多くの電気供給が必要なことから、オール電化に対応した分電盤などを、別途配置する必要があります。

・電気通信工事

電気通信工事は、電気設備工事に分類されることもありますが、その名の通り、インターネット回線や電話回線など、通信に関わる設備を導入する際に必要とされる業種です。前述した電気工事とは、扱う電力の差や「情報伝達のために電力を要する設備」に対して行われるもの、という違いがあります。具体的には、電話やテレビ、インターネットや放送設備などがこれに該当します。

・LANケーブル

LANとは「ローカルエリアネットワーク」の略で、ひとつの建物内やフロア内など、ある程度限定された区域内で構成されるネットワークのことです。「家庭内LAN」や「社内LAN」として利用されることもあり、このLANを構築するため、通信ケーブルの配線工事を行ったり、ネットワーク機器の設置を行ったりします。LANには有線と無線とがあり、双方では設備の設置方法が異なります。

・携帯電話基地局

携帯電話やスマートフォンを利用する際、効率よくそれぞれのデバイスに電波を届けられるよう、基地局を設置することが求められます。アンテナや無線機をはじめとして、ケーブルやコネクター、配管などを適切に配線し、基地局の開設のほか、電波が届かないエリアでの通信試験やテスト業務を行います。

・放送設備

公共施設でのアナウンス設備や、音響システムなどの構築、また消防法を基準とした防災放送の設備に携わる業務です。学校などの教育機関や商業施設、工場やコンサートホール、スポーツ施設など、必要とされる施設は多岐にわたります。

・防災設備

防災に関わる設備は「消防法」と「建築基準法」という、ふたつの法律によって定められています。これらふたつの法律の条件に則って、施設や住宅を災害から守るため、さまざまな設備導入が求められます。たとえば、スプリンクラーや消火器などの消火設備、火災報知器やガス漏れ警報器などの警報設備、また避難はしごや非常用照明などの避難設備、などがこれに該当します。

・管工事

管工事とは、空調や上下水道、ガスなどの配管を使用した設備を、設置するための工事を指します。
水道施設工事と混同されることがありますが、水道施設工事は、公共施設への上下水道の配置を行う工事であるのに対し、管工事は水道工事に関わらず、さまざまな配管を用いて、主に一般住宅や施設に対して行われる工事、という違いがあります。

・ガス配管

コンロや給湯器など、ガスを利用した設備を安全に供給できるようにするため、行われる工事です。ガスの供給方法は、都市ガスとプロパンガスの2種類があり、その家屋に併せた配置を行わなければいけません。

・水道配管

キッチンやトイレ、お風呂などの水回りの設置には欠かせない、水道管を配置するための工事です。給水管の引き込みや屋内配管工事、下水道排水整備の3つのセクションに大別できます。不備があると、漏水などの危険性が高くなるので、メンテナンスも慎重に行うことが重要となります。

・ダクト

ダクトは、一般家庭ではなかなか見かけませんが、飲食店や商業施設などに多く設置されている、空気の循環を良くさせる通り道のことを指します。室内から室外に、空気を通過させる配管を通し、嫌な臭いのする空気のこもりや一酸化炭素中毒などを防ぎます。

・機械器具設置工事

機械器具設置工事は、建設業許可では「機械器具の組立等により工作物を建設し、又は工作物に機械器具を取付ける工事」とされていて「現場で組み立てが必要な工事」というところがポイントです。すでに完成している機械や器具を設置する場合、これに含まれません。比較的大がかりになることが多く、エレベーターやサイロ、立体駐車場や舞台装置、プラントなどの設置を行う場合に該当します。


今回ご紹介した通り、設備工事の種類は多岐にわたっており、工事業務の中でも、比較的長期間携わることとなります。建設において必要不可欠な工程ですが、近年ではコスト面や人材面、教育面を中心に課題を抱えている領域でもあり、その対策として、デジタル技術の活用やシステム導入などで、抜本的な改革が見直されつつあります。設備工事に興味のある方はぜひplusjobをご覧ください。設備工事をはじめ、さまざまな建設業の求人を多数掲載しておりますので、ご希望の職種もきっと見つかるはずです!

条件を選んで検索

条件から探す

東京都

神奈川県

埼玉県

千葉県

line
line