建設業界の関係性


建設業界は、構造物を造るという大規模な仕事であるため、さまざまな業種があり、その仕事内容も役割も違います。自分がどのような仕事をしたいかにより、なりたい業種も変わってくるかと思います。そこで今回は、建設業界の主な業種7つとその関係性について解説いたします。より理解を深めて、自分のやりたい仕事と合っているか、ぜひチェックしてみてくださいね!

①国家・地方公務員

国家・地方公務員は、主に国や自治体が管理する構造物の発注・維持・管理を担当します。具体的には、道路や橋、河川工事など、民間では管理していない構造物の建設や保守・管理を建設業者に発注します。発注が完了した後は、発注を受けた建設業者が設計通りに施工をおこなっているか、工期以内に工事が完了しそうかなど、チェックをするのも発注者の仕事です。発注にかかる費用は、基本的に税金によって賄われるため、国のお金を使って仕事をしているという、責任感の問われる仕事といえます。

②ゼネコン

ゼネコンとは「ゼネラル・コンストラクター(General Constructor)」の略です。日本語では「総合建設業」を指します。ゼネコンは、発注者から土木や建築などの一式工事を請け負い、一部を複数の専門業者(サブコン)に依頼をするといった役割を担っています。たとえば、マンションの工事をゼネコンが請け負った場合は、マンションの基礎工事や設備工事・内装工事など、さまざまな専門工事を実施しなければなりません。ゼネコンは、これらのさまざまな専門工事をサブコンに依頼し、そしてサブコンの進捗具合や計画の妥当性を確認しながら、工事を完成まで導いていきます。また、発注者との協議や工事の申請など、全般の管理もゼネコンが担当します。会社規模が特に大きい清水建設や大林組、大成建設や鹿島建設、竹中工務店の5社はスーパーゼネコンと呼ばれていて、特に実績の高い工事を受注しています。

③サブコン

サブコンとは「Sub Contractor(サブ・コントラクター)」の略で、ゼネコンから工事を請け負う企業をいいます。ひとつの工事現場には、設備工事や電気工事など、さまざまな種類の工事が存在しますが、これらの専門工事に特化したのがサブコンです。ゼネコンは、あくまでサブコンをまとめるマネジメントをする立場であるため、工事現場ではサブコンの協力が欠かせません。ゼネコンの指示で、複数のサブコンがひとつの工事現場に同時進行で工事を進めていきます。また、ゼネコンは担当する工事の規模が大きいので、監督するのは1人1現場までとなりますが、サブコンは工事規模がそこまで大きくないため、複数の現場を掛け持ちして工事を実施するといったケースもあります。

④マリコン

マリコンとは「マリンコントラクター(和製英語)」の略です。港湾や護岸工事・海底トンネル工事など、海洋土木に特化したゼネコンを指します。海洋土木では海上での工事が発生するため、浚渫(しゅんせつ)船や起重機船など、海洋工事の専門機械や専門的な知識と技術が求められる業種です。

※浚渫(しゅんせつ)とは
河川や港湾などで、水底の土砂などを掘りあげる工事のこと
※起重機船とは
重量物のつり揚げをおこなう作業船のこと

海洋施設の建設は陸上の土木工事とは異なるため、一般的なゼネコンの参入は難しく、五洋建設や東亜建設工業、東洋建設の大手3社が中心となって工事を請け負っています。

⑤ディベロッパー

ディベロッパーとは、土地や街の開発をおこなう業種です。ディベロッパーは建設業界のみならず、不動産業にも含まれており、不動産業は主に「企画」「開発」「販売(貸出)」「管理」の4つの事業があります。このうち、ゼロから企画をして開発までを実施するのが、ディベロッパーの役割です。建物を造る部分を担当しているので、建設業界にも分類されています。企画や開発とは将来的な街の構想を計画し、街づくりのための用地取得から建物などの建設を実施します。土地や街の開発事業には以下のような例があります。

●土地や街の開発事業の例
・駅周りの再開発
・リゾート地の開発
・大規模な商業施設の開発
・高層マンションの開発

「ゼネコンとの違いは?」と気になった方もいるのではないでしょうか。ディベロッパーの役割は、あくまで開発の計画を策定するところまでです。計画した構造物やインフラを実際に造り上げるのは、ゼネコンの仕事になります。

⑥ハウスメーカー

ハウスメーカーとは、自社の住宅を設計・施工をし、その住宅を販売する業種です。住宅づくりと販売に特化している点が、ゼネコンやディベロッパーとの違いです。ハウスメーカーでは、各社で規格化されている住宅を建設するため、材料の多くは工場で大量生産されており、現地で組み立て作業をするので、工期の短縮やコスト削減を実現しています。これによって、品質の安定した住宅を広く展開しています。ハウスメーカーの会社によっては、住宅販売だけでなく、点検やリフォームにも対応して、家に関する全般的な相談も可能となっています。

⑦工務店

工務店は、オーダーメイドの家づくりをおこなう業種です。ハウスメーカーのような、規格化された住宅を建設するのではなく、顧客の要望に合わせて住宅の大きさからデザインなどを設計し、住宅を造ります。ハウスメーカーよりも、その地域に合う顧客に寄り添った事業モデルといえます。またゼネコンは、比較的大きい構造物の建設を請け負いますが、工務店は住宅に特化した建設を実施します。顧客側が工務店に相談しながら、家のデザインや間取りなどを選べる点が工務店の特徴です。


このように、ひとくちに建設業界といってもさまざまな職種と仕事内容が存在し、密接に関わっているのがわかります。あなたが働きたいと思ったのは、どの業種でしょうか?plusjobは、建設・建築関係に特化した求人サイトです。きっとあなたにピッタリのお仕事が見つかるはず!建設・建築業界への転職をお考えの方は、ぜひplusjobでお仕事探しをしてみてくださいね!

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