カウンセリングによって、肌や体型などの悩みを聞き「フェイシャルケア」「ボディケア」「脱毛」の施術で、お客様を美しくする「エステティシャン」のお仕事。今回はそんなエステティシャンの仕事内容や、なるために必要な資格などをご紹介いたします！
エステティシャンとは
エステティシャンは、エステティック業をおこなう技術者のことを言います。エステティック業は、西洋で痩身や脱毛、美白、リラクゼーションなどをおこなう美容術として発展していきました。日本では、明治時代にアメリカから「フェイシャルマッサージ」が伝わったことにより、発展してきたと言われています。
「エステティック」という言葉は「美学」や「美意識」などを意味しますが、日本で馴染みのある「エステティシャン」や「エステティックサロン」という言葉は、実は和製英語です。アメリカでは「エステティシャン」を「beauty treatment technician」、エステティックサロンを「beauty salon」「esthetic clinic」「spa」などと呼びます。
総務省の「日本標準産業分類」によると、エステティック業は「手技又は化粧品・機器等を用いて、人の皮膚を美化し、体型を整えるなどの指導又は施術を行う事業所をいう」と定義されています。
「人に美容を施す」という点においては、美容師や理容師、アイリスト 、ネイリスト、美容部員などの職種と共通しますが「手技又は化粧品・機器等を用いる」「人の皮膚を美化する」という点に、エステティシャンの特長が現れています。
エステティシャンの仕事は？
・施術
エステティシャンがおこなう施術は多岐に渡ります。代表的なものとして「フェイシャルケア」「ボディケア」「脱毛」があります。
・フェイシャルケア
頭部を含む、首から上に対する施術です。手技や機器などを使用し、美白や保湿、しわやたるみの改善、リラクゼーションなどを目的としたケアをおこないます。
・ボディケア
全身に対する施術です。手技や機器によって、皮膚の美化や痩身を目的としたケアをおこないます。
・脱毛
体の一部を集中的におこなう部分脱毛と、全身脱毛に分かれます。エステティシャンがおこなう脱毛は「美容脱毛」と呼ばれ、美容ライトやワックスを使った施術があります。また、レーザー光線やその他の強力なエネルギーを持つ光線を、毛根部分に照射する行為は「医療脱毛」と呼ばれ、エステティシャンはおこなうことができません。
・カウンセリング
施術前にはお客さんの肌や身体に関する悩みを聞き、症状を改善するために最適なメニューを提案します。施術中のトラブルを防ぐため、アレルギーの有無や健康状態、病歴などを忘れずに確認しましょう。最近では、インターネットによる予約時にアンケートを実施したり、初回来店時にカウンセリングシートに記入してもらうといった方法を取り入れている店舗も多くあります。
・販売
施術後に、お客さんに合ったホームケア化粧品の提案や販売をおこなうこともあります。一方的に商品を紹介するだけでは、販売に結びつかないだけでなく、再び来店してもらえなくなる可能性もありますので、きちんとした知識に基づいて、商品の特徴やオススメする理由、使用方法などを説明できるようにしておきましょう。
・その他、店舗業務
施術以外の時間には、受付や会計、予約管理や掃除などのサロンワークをおこないます。また集客のため、お客さんにハガキやメールを送ったり、ホームページやSNSを更新することも大切な業務のひとつといえます。
資格は必須ではない？
エステティシャンは、美容師や理容師のような国家資格ではありません。資格が必須ではないため、美容系の中でも比較的目指しやすい職種だといえます。
しかし、エステティックサロンに就職しお客さんから指名されたり、独立開業できたりする「エステティシャン」になるには、豊富な知識や経験、技術の証明が必要不可欠です。そのためにはどのような方法があるのか、エステティシャンを目指す、一般的なルートを紹介していきます。
・美容専門学校で学ぶ
美容専門学校の教育課程は、一般的に昼間課程（２年以上）と夜間課程（２年以上）と通信課程（３年以上）に分かれます。通信課程（３年以上）は、美容師・理容師を目指す人向けのカリキュラムが組まれているので、エステティシャンを目指す人は、昼間課程か夜間課程の「総合美容科（トータルビューティー科）」「エステティックコース」などで学びます。
美容専門学校の特長は、必修科目として「総合美容の知識と技術」、選択科目として「エステティックの知識と技術」があるため、文字どおり「美容の総合力」が身に付くという点です。学費は、２年間で２００万円前後かかります。
・エステティックスクールで学ぶ
エステティックスクールと美容専門学校には「スクールはエステティックに特化して学ぶ」「専門学校は美容を幅広く学ぶ」という、学び方の違いがあります。
国の認可が不要のエステティックスクールでは、自由にカリキュラムを組むことができる一方で、学校法人である美容専門学校では、学校教育法に則ったカリキュラムを組む必要があるためです。
エステティックスクールでは、ボディケアやフェイシャルケアなど、特定の手技を念入りに学ぶことができ、受講スタイルも「通学」「通信」から選ぶことができます。資料請求やホームページの確認、また実際に見学をするなどして、自分に合ったスクールやカリキュラムを選びましょう。
・エステティックサロンで働きながら学ぶ
エステティックサロンで、アルバイトやパートとして働きながら学ぶという方法もあります。給料をもらいながら、現場経験を積めるというメリットがある一方で「未経験・無資格可」の求人の仕事は、受付や掃除、施術準備など、サロンワークがメインの場合もありますので、社内研修制度を利用したり、営業時間外にコツコツと練習をして、知識と技術を身につける必要があります。
最近では、男女問わず美容に対する関心が年々高まっており、エステティシャンも人気の職業のひとつです。
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