鍛治工事とは

鍛冶工事は「鍛冶」という言葉のイメージから、ハンマーなどで鉄材を叩き、刃物などを作るようなイメージがありますが、実際は鉄骨工事になくてはならない工程のひとつで、様々な場面で活躍が期待できる工事です。
今回は鍛冶工事の内容や作業、どんな場面で必要なのかなどをまとめました。

鍛冶工事は重要な鉄骨工事の作業

鍛冶工事は、建設現場で鉄骨の工場から運ばれてきた鉄骨を、様々な技術で加工する仕事です。
つまり鉄骨を溶接したり、組み立てたりする一連の作業をまとめて鍛冶工事と呼びます。
鉄骨で使用される鋼材が、工場から搬出された時点であらかじめ完全な形でカットされているのは稀で、現場では運び込まれた建材をひとつひとつカットし、設計図で決められた形やサイズに加工しなければなりません。こういった作業を行うのが鍛冶工事です。鉄骨は現代建築でなくてはならない建材なので、それを現場で加工する鍛冶工事もなくてはならない作業となります。

鍛冶工事の内容とは?

鍛冶工事の内容は、溶接や切り出し、また組み立てといった作業が挙げられます。主に溶接を中心とした作業にはなりますが、それ以外の鉄骨に関連する作業も含まれます。

溶接は、ガス溶接やアーク溶接といった技術で行っていきます。ガス溶接は、ボンベに充てんされたプロパンやアセチレンなどの可燃性ガスと、酸素を混合したガスを使った溶接の事です。これらを混合した高熱のガスや炎を、工場で加工された鉄骨部分に当てて溶融させることによって、接合部分を強くしたり、ネジのゆるみが起きないように固着させていきます。
一方、アーク溶接は電気を放電させて金属を溶接していくという方法です。放電現象の”アーク”と呼ばれる状態から名づけられた施工方法です。
この方法で、鉄骨を溶融させて加工していくのがアーク溶接の特徴です。

また、工場から運ばれてきた鉄骨は専用の機械を使って溶かしていきます。鉄骨の工場から運ばれてきた鉄骨は、ほとんど忠実な加工がされていますが、鍛冶工事によって、より厳密なサイズに加工しなければなりません。

溶接以外にも、鍛冶工事は活躍します。
それは、半組み立ての状態で搬入されてきた鉄骨を、完全に組み立てる作業です。これは溶接以外にも、ボルトで増し締めを行う作業も含まれます。

これらの3つの作業は、地上何十メートル、何百メートルもの建物を長きに渡り維持するためには、とても重要かつ必須の作業となります。
現場で求められる精度に仕上げるために、精巧で精密な技術で鋼材を組み上げていくのが、鍛冶工事の主な役目だといえます。

また、組みあがった後の建物に入り、無理な姿勢で溶接などを行うといった状況も少なくなくありません。、その為、どのような状況であっても確実で正確な作業が求められます。

鉄骨工事と鍛冶工事はセット

鍛冶工事は、鉄骨工事には欠かせない必須の作業です。
そのため、鍛治工事は基本的に鉄骨の工事が行われている段階で、常に必要とされる作業なのです。
これらの作業を行うことによって、現代建築が建設されていくため、冒頭でもご説明した通り、工事現場には欠かせない存在といえる専門職です。

ちなみに鍛冶工事は、溶接の免許が必要です。
それ以外にも鉄骨製作管理技術者、溶接管理技術者、鉄骨工事管理責任者といった資格を持っていれば、より信頼され鍛冶工事の関連業者になれるでしょう。

鍛冶工事の現場では、溶接や鉄骨の組み立て、加工のスペシャリストが多数活躍しています。
工場からやってくる鉄骨は、非常に精巧な作りになっていますが、鍛冶工事はそれらをさらに精度の高いものに加工していきます。そうすることにより、鉄骨で造られた建物は何年にもわたって、その姿を維持できるのです。

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