建設業は全29種!一式工事と専門工事の違いは?

建設工事を行うには、その工事の内容に沿って建設業の許可を得なくてはなりません。
これは「建設業法第3条」などに基づき、定められています。建設業は全部で29種類に分類されており、その内訳は、一式工事が2種類と、専門工事が27種類です。今回は、それぞれの違いについてご紹介します。

一式工事と専門工事の違い

一式工事とは「総合的な企画や指導のもと、土木工作物や建築物を建設する工事」を指します。
基本的には元請業者が行う工事であり、すべてを自社で行うか、または一部を下請けに任せます。
一方専門工事は、一式工事2業種を除く27業種のことを指します。
それぞれ別の許可業種であるため、一式工事の許可を受けたとしても、専門工事の施工はできません。
工事ごとに、許可が必要となります。

・許可の区分

建設業の許可は以下の区分となり、国土交通大臣または都道府県知事の許可が必要です。
国土交通大臣の許可が必要な場合は、2つ以上の都道府県の区域内に、営業所を設けて営業する場合です。
また、都道府県知事の許可が必要な場合は、1つの都道府県の区域内のみに、営業所を設けて営業する場合です。ただし、軽微な建設工事の場合は、必ずしも許可が必要なわけではありません。
建設工事を行う際、基本的に許可は必要ですが、軽微な建設工事のみを行う場合は必ずしも許可を受けなくてもいいとされています。
軽微な建設工事とは、以下のような工事を指します。
建築一式工事において、工事1件の請負金額が1,500万円未満、または延べ面積が 150平方メートル未満の木造住宅工事。
建築一式工事以外の建設工事においては、工事1件の請負金額が500万円未満の工事。

一式工事の種類と内容

一式工事は「土木一式工事」「建築一式工事」の2種類に分類されます。それぞれの具体的な工事内容を見ていきましょう。

・土木一式工事
土木一式工事とは、総合的な企画や指導、調整などをもとに、土木工作物を建設する工事のことを指します。
補修、改造、解体工事も含みます。

・建築一式工事
建築一式工事とは、総合的な企画や指導、調整などをもとに建築物を建設する工事のことを指します。

専門工事の種類と内容

専門工事は上記で紹介した「一式工事以外の27種類」が該当します。それでは、専門工事の種類、それぞれの具体的な工事内容を見ていきましょう。

専門工事は上記で紹介した「一式工事以外の27種類」が該当します。それでは、専門工事の種類、それぞれの具体的な工事内容を見ていきましょう。

・大工工事
木材の加工・取り付けなどにより、工作物を築造、または工作物に木製の設備を取り付ける工事

・左官工事
壁土・モルタル・漆喰などをこて塗り、吹付け、貼り付ける工事

・とび、土木、コンクリート工事
足場の組立て・機械器具や建設資材など重量物の運搬配置・鉄骨などの組立て等の工事
くい打ち・くい抜きおよび、場所打ちぐいを行う工事
土砂などの掘削・盛上げ・締固めなどを行う工事
コンクリートにより、工作物を築造する工事
その他、基礎的ないしは準備的工事

・石工事
石材の加工、または積方により工作物を築造し、または工作物を石材に取り付ける工事

・屋根工事
瓦・スレート・金属薄板などで屋根をふく工事

・電気工事
発電設備、送配電設備、変電設備、構内電気設備などを設置する工事

・管工事
冷暖房、給排水、冷凍冷蔵などの設備や金属製などの管を使用し、水や油などをそう配するための設備を設置する工事

・タイル、れんが、ブロック工事
れんがやコンクリートブロックなどにより、工作物を築造、または工作物に取り付けたり、貼り付けたりする工事

・鋼構造物工事
形鋼・鋼板などの鋼材の加工や、組立てにより工作物を築造する工事

・鉄筋工事
棒鋼などの鋼材を加工・接合・組み立てる工事

・舗装工事
道路などの地盤面をアスファルトやコンクリート、また砂や砂利などにより舗装する工事

・浚渫(しゅんせつ)工事
河川や港湾などの水底に堆積した土砂をすくい取り、水深を確保する工事

・板金工事
金属薄板などを加工し、工作物に取り付けたり、金属製の付属物を取り付ける工事

・ガラス工事
工作物にガラスを加工し、取り付ける工事

・塗装工事
塗料や塗材などを工作物に吹付け、塗付け、貼り付ける工事

・防水工事
アスファルトやモルタルなどを使い、防水を行う工事

・内装仕上工事
木材・石膏ボード・壁紙・たたみ・カーペット・ふすまなどを用いて、建築物の内装の仕上げを行う工事

・機械器具設置工事
機械器具の組立てなどにより、工作物を建設したり、工作物に機械器具を取り付けたりする工事

・熱絶縁工事
工作物、または工作物の設備を熱絶縁する工事

・電気通信工事
有線電気通信設備、無線電気通信設備、ネットワーク設備など、電気通信設備を設置する工事

・造園工事
整地、樹木の植栽などにより庭園・公園・緑地などの苑地を築造し、道路や建築物の屋上などを緑化、植生を復元する工事

・さく井工事
井戸(特に深い井戸を指します)を掘ること・試錐(しすい)のことで、さく井機械を使って地面に穴を掘っていき地下水をくみあげる工事、またはこれらの工事に伴う、揚水設備設置などを行う工事

・建具工事
工作物に木製、または金属製の建具などを取り付ける工事

・水道施設工事
上水道・工業用水道などのための取水・浄水・配水などの施設を築造する工事、または公共下水道、若しくは流域下水道の処理設備を設置する工事

・消防施設工事
火災警報設備・消火設備・避難設備や消火活動に必要な設備を設置したり、工作物に取り付けたりする工事

・清掃施設工事
し尿処理施設、またはごみ処理施設を設置する工事

・解体工事
工作物の解体を行う工事

一言で建設業と言っても、これだけたくさんの仕事があります。plus jobでは様々な職種をご紹介しておりますので、ぜひあなたにピッタリのお仕事を見つけてみてください。

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