サステナブル建築資材の選び方

サステナブル建築資材(建材)とは

サステナブル建材とは「社会的」「経済的」「地球環境的」の観点から、持続可能な建築建材のことを指します。ヒートアイランドの抑制や大気汚染、水質汚染への配慮、また自然への配慮などを考慮して作られており、代表的なものに「リサイクル建材」や「アップサイクル建材」があげられます。リサイクル建材は、不要になった建材を一度壊して、新たに作り直した建材のことで、アップサイクル建材は、不要になった建材の素材や特徴を生かして新たに別のものとして作り直した建材のことをいいます。アップサイクル建材には、茶殻を利用し匂いの吸着や消臭機能を持たせた畳や、木くずを原料とした化粧シートなどがあります。

活用でSDGsに沿った住まいを実現

サステナブル建材には、SDGsに必要とされる要素が取り入れられています。これらを活用することによって、SDGsに沿った住まいを実現することが可能となります。自然素材の家を建てるなら長く使える家にしたい、素材にもこだわりたいとお考えの方は、サステナブル建材を検討してみると良いでしょう。住む人にも地球にもやさしい自然の素材を使った家にすることにより、マイホームで過ごす時間をより快適に、より特別なものにしてくれるはずです。

サステナブル建材のポイント

①ライフサイクルが長い

サステナブル建材は、ライフサイクル(耐用年数)が長いのが特徴で、たとえばサステナブル建材のひとつである漆喰は、耐久性の高い素材として知られており、耐用年数は100年以上と言われています。コンクリートの耐用年数が50年前後であることからも、漆喰の耐久性の高さが伺えます。一度塗ったら、塗り替える必要がほとんどないため、メンテナンスの手間がかからないのも嬉しいポイントです。また、ライフサイクルの長い建材を使用することによって、資源を無駄に使用しないというメリットもあります。

②希少資源なしで、永続的に製造が可能

サステナブル建材は、希少性の高い有限な原料を使用しておらず、今後も確保し続けられる「持続可能性」を持つという特徴があります。たとえば、木材は建材としての役割を終えた後も再利用や再使用ができ、さらに森林から再生産もできる貴重な素材です。適切な量を使用して、伐採したら植えて育てるというサイクルを繰り返すことによって、いつまでも使い続けることができます。再利用により環境への負荷を少なくできて、さらに土に還すことができるのもポイントです。

③環境負荷が少ない

サステナブル建材のなかでも、無垢材は環境負荷が少ない代表例のひとつです。無垢材の原料となる木は、生育過程で二酸化炭素を吸収して酸素を排出します。無垢材は、加工を行わずに木をそのまま切り出したものなので、建材になっても吸収した二酸化炭素を内部に固定し続けるのが特徴です。それによって地球温暖化の抑制につながります。また木材は処分後も土に還るので、SDGsに必要な「廃棄物を極力減らす」ということも実現可能となります。

④健康被害がなく、快適性をもたらす

木材は断熱性や調湿性に優れているほか、ストレスの元となる紫外線や音も吸収するので、暮らしに快適性をもたらしてくれます。また、杉やひのきなどの香りはストレス軽減やリラックスの作用もあるとして、内装材としてだけでなく、アロマオイルに使用されることもあります。木材には免疫力アップやリフレッシュ効果、疲労感の緩和や安眠効果など、健康面のメリットがあることが研究で立証されています。

暮らしにサステナブル的考え方を取り入れる

環境や健康に配慮した自然素材の家を選ぶということは、SDGsの実現に貢献しているとも考えられます。特に世界有数の森林国において、森林資源を活用した木造建築は、CO2排出量の削減につながるほか、森林の環境保全といった課題解決にも貢献しています。サステナブル建材は地球の環境に優しいだけでなく、暮らしに安心感と快適さをももたらしてくれるため、建材選びにおいてもサステナブルの考え方を取り入れてみてはいかがでしょうか?
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